病院や整体に通っても肩・腰の痛みが改善しない場合、痛みの部位だけを標的にした施術や診断では拾いきれない要因——たとえば「モヤモヤ血管(異常血管新生)」による慢性炎症、「中殿筋障害」が引き起こす腰部の機能不全、あるいは脳が誤って痛みを記憶し続ける「慢性疼痛の神経回路」——が潜んでいることがあります。痛みが長引いている方も、こうした視点から身体全体を見直すことが、状態改善への糸口になり得ます。
「また同じ場所が痛くなってきた」「病院でレントゲンを撮っても異常なしと言われた」「整体に通っているうちは少し楽になるけれど、気づけば元に戻っている」——痛みに悩む方から、こうした声をたびたびお聞きします。ゆるまる治療院には、複数の医療機関や治療院を巡ってもなかなか改善しなかったという方が多く来院されます。これまでのべ18万人以上の方の身体に向き合ってきた経験から言えるのは、「症状が長引くとき、その理由はたいていひとつではない」ということです。
痛みが慢性化するとき、身体の中で何が起きているのか

急性の痛みと慢性の痛みは、身体の中で異なるメカニズムで起きています。急性の痛みは「組織が傷ついているサイン」として機能しますが、慢性的な痛みはそのサイン自体が誤作動を起こしている状態と捉えられることがあります。脳科学の領域では、長期間続く痛みは「神経可塑性」によって脳内の痛み回路が固定されやすくなると指摘されています。つまり、実際の組織ダメージが小さくなっても、脳が「痛みがある」と認識し続けるケースがあるのです。
当院では、こうした状態を「脳の勘違いプログラム」と呼んでいます。これは怠けや気持ちの問題ではなく、身体が積み重ねてきた刺激のパターンが神経系に定着してしまった状態です。筋肉の硬さや骨盤の歪みだけに着目して施術を続けても、この神経系のパターンにアプローチしなければ、痛みが繰り返しやすい状態は変わりにくいと当院は考えています。
「異常なし」でも痛い理由
整形外科でレントゲンやMRIを撮って「特に異常は見られません」と言われた経験がある方は多いと思います。画像に映る骨や椎間板の変化と、実際の痛みの強さは必ずしも比例しないことは、医療の現場でもよく知られています。たとえば椎間板ヘルニアがあっても痛みをまったく感じない方がいる一方で、画像上はほぼ正常なのに強い痛みを感じる方もいます。これは、痛みが「組織の損傷」だけで決まるのではなく、神経系や脳の処理のしかたにも大きく左右されることを示しています。
こうした背景があるため、画像診断だけで「問題なし」と判断されると、患者さん自身が「では、なぜ痛いのか」という答えを得られないまま途方に暮れてしまうことがあります。身体の状態を多角的に確認できる専門家に相談することが、次のステップとして選ばれることがあるのは、こうした事情によるものだと思います。
炎症を長引かせる「モヤモヤ血管」の存在
近年、慢性的な肩こりや腰痛の背景として注目されているのが、「モヤモヤ血管(異常血管新生)」と呼ばれる現象です。これは、組織の慢性炎症に伴って正常ではない細い血管が増殖した状態で、神経線維を伴って伸びてくるため、痛みの感受性を高めると考えられています。通常の安静や温熱療法だけでは対処しきれないケースがあり、痛みの専門クリニックで画像下治療として対応されることもあります。
重要なのは、このモヤモヤ血管が形成される背景には、「長期間にわたる局所への過負荷」があるという点です。同じ姿勢を長時間続けるデスクワーク、身体のある部位だけを使い続ける動作のクセ——こうした日常の習慣の積み重ねが、慢性炎症の温床になっていることがあります。詳しくは「病院や整体に通っても肩こりが改善しない方へ|見落とされがちな「本当の原因」を徹底解説」で解説しています。
見落とされがちな「中殿筋障害」という腰痛の要因
腰痛の原因として多く語られるのは、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症ですが、臨床の現場で意外と見落とされやすいのが「中殿筋(ちゅうでんきん)障害」です。中殿筋はお尻の外側に位置するインナーマッスルの一つで、骨盤と股関節の安定に大きく関わっています。この筋肉が弱化したり、慢性的な緊張状態に陥ると、腰部や股関節まわりに持続的な痛みやだるさをもたらすことがあります。
中殿筋障害が厄介なのは、腰の深部に関連痛を生じるため「腰痛」として認識されやすい一方で、腰だけをほぐしても症状が変わりにくい点です。また、坐骨神経痛に似た臀部から太ももにかけての痛みや痺れを引き起こすこともあるため、坐骨神経痛として扱われていたケースが実は中殿筋由来だったというケースも少なくありません。詳しくは「何をやっても腰痛が治らない本当の理由|病院・整体で改善しない人が見落としている身体の仕組み」で解説しています。
なぜ中殿筋は弱りやすいのか
中殿筋が機能不全に陥りやすい生活習慣として代表的なのは、長時間の座位です。名古屋市内でデスクワークをされている方は特に、股関節が長時間屈曲した状態に置かれるため、中殿筋が使われない時間が長くなりがちです。また、片側に体重をかけた立ち方や、脚を組む習慣も左右のバランスを崩す一因になります。こうした積み重ねが、気づかないうちに骨盤まわりの筋機能を低下させていきます。
30代・男性のケースをご紹介します。長年にわたる腰痛をお持ちで、整形外科での治療、整骨院でのマッサージを数年続けてもその場限りの改善にとどまっていました。来院時の身体の状態を確認すると、腰椎そのものよりも骨盤まわり、特に中殿筋付近に強い緊張が見られ、股関節の動きにも左右差が顕著でした。腰部だけでなく骨盤・股関節の機能を含めた全体的なアプローチに切り替えたところ、数ヶ月のうちに日常動作の痛みが以前より軽減したとお話しいただきました(個人差があります)。
内臓の不調と自律神経が痛みに関わる仕組み

肩や腰の痛みと聞くと、多くの方が「筋肉か骨の問題だろう」と考えます。しかし、身体の各器官はつながっており、内臓の状態が筋肉や関節の緊張に影響を与えることがあります。たとえば、胃腸の不調が続くと横隔膜まわりの筋緊張が強まり、それが肩や腰に波及することがあります。また、自律神経の乱れは血流や筋肉の緊張レベルに直接影響するため、慢性的なストレスや睡眠不足が身体の痛みとして現れることも珍しくありません。
40代・女性のケースです。長年肩こりと頭痛で悩まれており、複数の整体院や鍼灸院を渡り歩いてこられました。施術を受けるたびに一時的には楽になるものの、翌日から翌々日には元に戻るという繰り返しが続いていました。ご本人の日常を伺うと、睡眠が浅く消化器系の不調も長年抱えていることがわかりました。筋肉や関節だけでなく、自律神経や内臓機能の状態も含めた全体的なアプローチを続けることで、数ヶ月後には肩こりが以前ほど気にならなくなったとおっしゃっていました(個人差があります)。詳しくは「デスクワークで肩こりが治らない本当の理由|病院や整体で改善しなかった方へ」で解説しています。
Bスポット療法が注目される背景
慢性的な上咽頭の炎症が、肩こりや頭痛、さらには全身の倦怠感や自律神経症状に関係しているとして、近年「Bスポット療法(EAT:上咽頭擦過療法)」が注目されています。上咽頭は脳幹や自律神経中枢に近く、ここに慢性炎症があると迷走神経を通じて全身にさまざまな影響をもたらすと考えられています。肩こりや頭痛が「首から上の問題」として扱われながらも改善しない場合、この視点が見落とされているケースがあります。
もちろん、Bスポット療法はEAR・鼻・喉の専門医による医療行為であり、整体院で行えるものではありません。ただ、「なぜ肩こりや頭痛がなかなか取れないのか」を考えるとき、上咽頭や自律神経という視点が加わることで、受診すべき診療科の選択肢が広がることがあります。当院では、症状の経緯から医療機関への受診が適切と判断した場合、専門医への相談をお勧めするようにしています。
今日から見直せる生活習慣とセルフケアの考え方

施術を受けることと並行して、日常の習慣を見直すことは欠かせません。身体は24時間、生活の中で何らかの刺激を受け続けています。施術でいったんリセットされても、日常の姿勢や動作のクセが変わらなければ、同じ緊張パターンが戻りやすくなります。
日常的に実践しているのは「ゆる体操」です。力を抜いて身体をゆるめることを中心に置いたこの体操は、神経系への過剰な興奮を落ち着かせ、筋肉の慢性的な緊張を和らげることに役立つと感じています。特別な道具も広いスペースも必要とせず、自宅や職場でも実践できる点が、継続しやすい理由のひとつです。
デスクワーク中にできる小さな習慣
長時間のデスクワークでは、1時間に一度は席を立って身体を動かすことが推奨されています。ただ立ち上がるだけでも股関節が動き、骨盤まわりの筋肉が活動します。椅子に座ったまま行える骨盤の前後傾運動も、腰まわりの血流を保つうえで効果的です。深呼吸を意識的に取り入れることは、横隔膜を動かし自律神経のバランスを整えるうえでも有益です。
睡眠の質も見逃せません。慢性的な痛みを抱えている方の多くが睡眠の質の低下を経験しており、逆に睡眠が改善すると痛みの感受性が変わってくるケースが報告されています。就寝前のスマートフォン使用を控える、入浴でリラックスする、就寝時間と起床時間をできるだけ一定にする——こうした生活リズムの整備は、身体の回復力を高めるうえで土台となります。
病院を受診すべきサインと整体院を活用する場面

痛みを感じたとき、まず確認していただきたいのは「すぐに医療機関を受診すべき症状かどうか」です。手足に力が入らない、排尿・排便に障害が出ている、ろれつが回らないといった症状を伴う場合は、整形外科や神経内科などへの速やかな受診が必要です。また、安静にしていても痛みが強くなる、夜間痛が著しい、発熱や体重減少を伴うといった場合も、内科系の疾患が潜んでいる可能性があるため医療機関での検査が優先されます。
「病院で異常なし」は「何も問題がない」という意味ではなく、「現在の検査法では画像や数値に映らない状態」という意味でもあります。その先の一歩として、身体全体のバランスを見直す専門家への相談が選ばれることには、それなりの合理性があります。
医療機関での診断と治療を大切にしながら、それでも改善の実感が得にくい場合に整体院や治療院を活用することは、選択肢のひとつです。整体院では、画像では捉えにくい筋肉の緊張パターン、関節の動きの左右差、身体全体の使い方のクセなどを確認しながら、施術のアプローチを組み立てていきます。部位への対症的な施術ではなく、身体全体のバランスを整えるという視点が、改善の糸口になることがあります。詳しくは「病院・接骨院・整体に通っても腰痛が改善しない本当の理由を徹底解説」で解説しています。
ゆるまる式身体調整が目指すこと
当院のゆるまる式身体調整では、筋肉の硬さや骨盤の歪みという表面的な問題だけでなく、「なぜその緊張が生まれ続けるのか」という背景に着目します。内臓の機能状態、自律神経のバランス、動きのクセ——こうした要素が複合的に絡み合って「脳の勘違いプログラム」が形成されると考えており、そのプログラムに働きかけることを施術の中心においています。施術の効果には個人差がありますが、症状の繰り返しや「その場限りの改善」に困惑されている方が、別の視点から身体を見直す場として活用していただければと思います。
痛みと長く付き合ってきた方へ

何年もかけて複数の施術を受けてきた方にとって、「また新しいところに行くのか」という気持ちは自然なことだと思います。それでも、痛みを我慢することが「慣れ」になってしまうと、身体の感覚は鈍くなっていくことがあります。身体の状態は固定ではなく、適切なアプローチとの組み合わせによって変化の余地がある——そう信じて、これまで施術を続けてきました。
50代・女性のケースです。五十肩と腰痛を同時に抱え、「もうこれが普通だと思っていた」とおっしゃっていました。複数の整骨院と整形外科に数年通い続けてきたものの、腕が上がらない状態は変わらず、仕事にも支障が出ていたとのことです。当院では肩関節だけでなく、胸椎の可動域や呼吸の浅さ、内臓の緊張といった全体的な状態を確認しながらアプローチを続けました。数ヶ月後には腕が頭の上まで上がるようになり、腰痛も日常動作での辛さが軽減したとお話しいただきました(個人差があります)。
痛みに悩んでいる方が、「病院でも整体でも変わらなかったから仕方ない」とあきらめる前に、別の視点から自分の身体を見直す機会を持っていただけたなら、それがこの記事を書いた一番の目的です。詳しくは「病院でも整体でも良くならない腰痛の本当の理由と、今日からできる5つの対処法」で解説しています。
| 要因 | 具体的な例 | 見直しのアプローチ |
|---|---|---|
| 神経系の過敏化(脳の誤作動) | 画像異常なしでも痛みが続く、痛みが移動する | 身体全体のバランス・神経系へのアプローチ |
| モヤモヤ血管(異常血管新生) | 慢性的な炎症・局所の過負荷が続いている | 日常の姿勢・動作習慣の見直し、専門医への相談 |
| 中殿筋障害 | 腰・臀部の深部痛、坐骨神経痛様の症状 | 骨盤・股関節を含む全体的な機能評価 |
| 内臓・自律神経の影響 | 消化器不調・睡眠障害・慢性ストレスを伴う | 生活リズムの整備、内臓機能へのアプローチ |
| 上咽頭の慢性炎症(Bスポット) | 頭痛・肩こりが薬でも改善しない | 耳鼻咽喉科・専門医への受診を検討 |
よくある質問

何年も通院しているのに痛みが取れません。諦めるしかないのでしょうか?
痛みが長期化している場合、これまでのアプローチでは十分に対処できていない要因が残っている可能性があります。神経系の過敏化、中殿筋障害、内臓・自律神経の影響など、見落とされやすい視点から身体全体を確認することで、変化が生まれることがあります。あきらめる前に、別の視点からのアプローチを検討することをお勧めします(効果には個人差があります)。
病院でレントゲン・MRIを撮っても異常なしと言われました。なぜ痛みが続くのですか?
画像検査で映せるのは骨や椎間板などの形態的な変化です。神経系の過敏化や筋肉の機能不全、内臓や自律神経の影響による痛みは画像に反映されにくいため、「異常なし」でも痛みが続くことがあります。こうしたケースでは、身体全体の状態を機能的に確認できる専門家への相談が選択肢になります。
モヤモヤ血管とは何ですか?どこで診てもらえますか?
モヤモヤ血管とは、慢性炎症の部位に形成される異常な細い血管のことで、神経線維を伴って痛みの感受性を高めると考えられています。画像下治療を行うインターベンショナルラジオロジー(IVR)の専門クリニックで対応されているケースがあります。整形外科や専門の痛みクリニックに相談し、適切な診療科を案内してもらうのが確実です。
中殿筋障害は自分でも確認できますか?
中殿筋障害を自己判断で確定することは難しいですが、お尻の外側から腰の深部にかけての慢性的なだるさや痛み、片側の脚に体重をかけにくい感覚などがある場合は、骨盤まわりの機能低下が関係している可能性があります。整体院や専門家による機能評価を受けることで、より具体的な状態を把握しやすくなります。
Bスポット療法は整体院で受けられますか?
Bスポット療法(上咽頭擦過療法)は医療行為であり、整体院では行えません。耳鼻咽喉科や一部の内科・専門クリニックで受けることができます。慢性的な肩こり・頭痛・倦怠感が続いている場合、上咽頭の炎症が関係している可能性もあるため、耳鼻咽喉科への相談を検討してみてください。
整体に通いながら病院にも通うことはできますか?
はい、医療機関での診察・治療と整体院の利用は並行して行うことができます。整体院は医療機関の代替ではなく、身体の状態を整えるサポートとして活用するものです。受診中の医師に相談しながら、両方を組み合わせて活用している方も多くいらっしゃいます。
すぐに医療機関を受診すべき痛みのサインはどんなものですか?
手足に力が入らない・しびれが急に強くなった、排尿・排便に障害が出ている、ろれつが回らない・歩行が不安定になったといった症状がある場合は、整体院ではなく医療機関へ速やかに受診してください。また、安静にしていても痛みが増す、発熱・体重減少を伴うといった場合も内科系の疾患が疑われるため、医師の診断を優先してください
ゆるまる治療院
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2-4-10 セントラル広小路ビル8階
TEL 052-228-7996
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